ゴーゴリ著 『鼻』
古典の新訳が出ると、懐かしくって読んでみようかな~、って思ってしまいます。
私が一番苦手なのが近代のロシア文学なんですが、ゴーゴリはちょっと軽薄(失礼!!)で人や社会を小ばかにしているようなところが結構好きです。
そのせいか、新約の落語風な言い回しは意外にしっくりきます。特に『鼻』なんかはきちんとしたオチがあるお話だったらそのまま古典落語にでもありそうな雰囲気に仕上がっていました。
自分の鼻がある日突然取れて、平然と街を歩き回っているってありえない話なのに、
「まったく訳が分からないけど、世の中には訳の分からないことってあるじゃない」っていうビックリのオチなんですよ
同じわけが分からない系(よく不条理文学などとわれていますが) カフカの『変身』やベアリュの『水蜘蛛』みたいな独特の世界に引き込まれるというものではなくて、
どちらかと言えば「ど根性カエル」のぴょん吉みたいなありえないけど、あまり気にせず毎日暮らしています。みたいな感じ
少し前にラヒリの『その名にちなんで』を読んでいたのでゴーゴリと言う名前が刷り込まれたのか、書店でこの新約本を手に取ったのですが、ゴーゴリなんでファーストネームを付けられたらさすがに両親を恨むでしょうね~。 虚言癖と妄想癖全開の作家なんですから・・・。
by catitude
| 2008-11-29 13:36
| 書籍