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作家のビジュアル

久しぶりに本を読みきった達成感を味わいました。

読んだ本は、

『ぼくを創るすべての要素のほんの一部』  スティーブ・トルツ著

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とにかく文字数が多い(笑)そして当然物理的に重たい!(600ページありました、しかも上下段!)

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主人公ジャスパーが自分の物語を書く。といった趣向で始まるのですが、物語の中心は主人公ジャスパーではなく、その父マーティン。マーティンはとにかく狂気スレスレの変わった人間で(実際しばしば精神に異常をきたしているのですが、そもそも常に正常者とは言いがたい。) 彼の思想と行動のチグハグさといったら!

その父の性質を受け継ぎつつ、高みからの観察者を決め込みながら、常にトラブルの渦中にいるジャスパー。

文章が畳み掛けるように独特のリズムで次々と現れるのですが、いちいちシニカルで『ぷ、ぷっ・・』って吹き出してしまいます。

心に響くとか、皆に勧めたい本って訳では一切ないですが、1週間かけて読みきっただけの価値はあったと思います。


この作品がデビュー作の スティーヴ・トルツは私と同年代!なかなかのビジュアル

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作家のビジュアルってあまり重要ではないと思うけれど、意外にイメージにのこりますよね。

それに作風と作者のビジュアルってまったく無関係ではないと思います。


作家のビジュアル_c0170236_12452143.jpg太宰治のナルシスティックで自虐的、でも透明で上品な文章。まさにビジュアルとおり


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芥川龍之介のいかにも高IQといった風貌は、作品を読んでも深く納得できるところなのでは。。。


いささか内面的な要素が強いかと感じられる梶井基次郎も(写真はあえて載せませんが)、自身の外見へのコンプレックスを作品に感じるのは私だけではないかと思います。


作家のビジュアルについて初めて意識した本が実はあるのです。

この本、ご存知の方も多いと思います。

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『おおきな木』という絵本なのですが、無償の愛のお話です。 まだご存知ない方は、是非読んでいただきたい作品です。

実は私、この作品を本屋で立ち読みしていて、号泣した苦い(?)思い出があるのですが、最後の1ページを読み終え、本を閉じた時、涙がたまった目に飛び込んできた作者の写真!

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このテロリスト、若しくは売春婦連続殺人犯のような風貌でこのような美しい作品(文章も絵も彼なんですよね・・・)を作り出すなんて!!

思わず恋に落ちそうでした。(女性は意外性に惚れる生き物らしいです。)

この、極悪人面の彼は、他にも『ぼくを探しに』とか『ビッグOとの出会い』など日本でも大変人気のある作品の作者でもあります。
by catitude | 2009-09-26 13:06 | 日々のこと
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